今満開の小学部校庭の桜を見ています。もったいない。誰もいません。桜の圧倒的存在には毎年心躍ります。今年の開花はゆっくりでしたので雨の寒い卒業式にはまだ固い蕾でした。その後急に膨らみはじめ25日頃にはもう見頃になってきました。満開は3月末から4月初め、すぐさま花吹雪の季節が来て、入学式まで待ってくれますようにと願います。みなさんと一緒に旭出学園の桜の花盛りを見られないのはちょっと残念です。コロナ以前「同窓会旭出あおば会」の余暇活動では3月最後の週末に「お花見の会」をしていました。またそんなことができる日が来るといいなと思います。みなさんもそれぞれ場所で桜の花を楽しむことができたのではないでしょうか。さあ、新年度です。
さて今回は、「保護者面談」について私の失敗談を元にお話しできたらと思います。新任の頃は、保護者の方々は人生の大先輩でしたので、頼りにもされていなくても、「若いのに、ありがとう。」と声をかけられ只々励まされることが多かったです。そんな声かけで仕事を続けることができましたし、成長させてもらったと思います。時には生意気に、保護者に対して自分の一方的な思い込みを口にしてしまう事もあったり、学校と家庭の方針の違いに対応を迷ったり、保護者との関係の弱さも知り悩むこともありましたが、先輩や同僚に助けてもらい、チームで支援することを学びました。私自身が保護者に対する気持ちが大きく変わったのは、やはり出産と子育てだったと思います。出産を経験し、全ての保護者、特に「お母さんたち」を尊敬せずにはいられませんでした。命を生み出すことは本当にすごいことなのだと実感したからです。生まれたわが子に命の危機や成長に問題が生じたとしたら、耐えられるだろうかと自問し、「お母さんたちのパワー」に圧倒されました。そんな感動も束の間、仕事に復帰すれば、理想通りに行かない日々の暮らしは途切れなく続き、休日も夏休みもありません。「夏休みが長くて辛い」「待ちたいけど、それじゃ生活が回らない」などと話していた保護者の様々な気持ちがよく分かるようになりました。人生の経験値が積み重なる毎に、理解も想像もしやすくなりますし、細かな話を聞き取ることも嫌でなくなります。そこにこそ問題や解決の糸口があるようにも感じます。そして解決することは叶わなくとも話を聞き、共有できれば心が救われる、気持ちが軽くなるという体験もしました。息子の中学時代の担任との面談は年2回ほど15分に設定されていました。主に期末テストなどの成績の良し悪しだったりしました。楽しいものではありませんでした。高校の時は担任と一度も面談をせず仕舞いでした。そういった案内のプリントを親に渡さなかったからでしょうが、私も私で自分から面談をお願いせずに過ごしてしまいました。息子の思春期や青春時代の出来事をせめてご縁のあったクラス担任とは共有したかったと後悔します。
クラス担任について、若いけど大丈夫だろうか、聞いてもらえるだろうか、思うような対応をしてくれないなど、不安な気持ちを持たれていませんか。話し合う毎にお互いの理解は深まると思います。コロナ禍ではありますが、対面やオンラインを使っての個人面談をぜひ充実させてください。予め面談内容のご希望もお聞きしているとは思いますが、思っていることはどうぞお話ください。クラス担任との面談の他にも、保健の養護教諭面談、研究所の教育相談、専門家の療育相談もありますので是非ご利用ください。話すことで課題や優先順位について共有して、お子さんを真ん中に手を取り合ってお互いに成長できますようにと願っています。
新年度入学されたみなさん、そして進級進学されたみなさん、おめでとうございます。新しい仲間や先生たちと新たな活動に取り組むみなさんの成長がとても楽しみです。お一人お一人のペースに合わせて歩んでまいりましょう。
コロナ禍はまだ当面続くようですので、これまで通りの対策を継続して、学校生活がスタートしています。ご理解とご協力の程よろしくお願いします。
桜とはこれほど心浮き立たせ花びらさえも遊ぼと誘う